22/05/2026
F/2 Karte Process & Story

「必要なものを、ひとつに整理したい」


あるお客様からの相談が、

この財布の始まりでした。


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01|きっかけ


お客様が使われていたのは、

すでにこの形に近いサイズ感の財布でした。

 

ただ、

実際に日常で使い続ける中で、

細かな違和感が少しずつ積み重なっていた。


「お札の留まり方が、もう少しこうだったらいい。」


「カードの収まりを整理したい。」


「コインケースを、

ファスナーを一度開けるだけで取り出せたらいい。」


サイズ感そのものには満足している。


けれど、

動作や使い心地には、

まだ改善できる余地がある。


その曖昧な感覚を、

ひとつずつ具体化していくことから、

F/2の設計は始まりました。


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02|処方(設計意図)


まず考えたのは、

“収納量”ではなく、

日常動作を整理することでした。


紙幣。

カード。

小銭。


それぞれを独立させながら、

一連の流れの中で扱える構造。


紙幣は、

折り込むのではなく差し込む。


お札の留まり方や、

取り出す時の指の動きまで含めて調整を行いました。


カードは、

必要最低限を重ねることで厚みを抑える。


小銭は、

ファスナーを一度開けるだけで

自然にアクセスできる位置へ。


収納を増やすのではなく、

使う時の流れを整えていく。


それがF/2の根本にある考え方です。

ファスナーによって全体を包み込みながらも、

内部構造はできる限り軽やかに設計しました。

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03|Prototype(試作過程)


最初の試作では、

収納量を増やそうとするほど、

内部構造が複雑になっていきました。


仕切りを増やせば、

厚みが生まれる。


ポケットを増やせば、

動作が増える。


そこで一度、

「何を減らすべきか」

という視点に切り替えました。


必要以上に固定せず、

動作の流れに沿って収納を整理する。


その考え方へ変えてから、

構造が少しずつまとまり始めます。


カード枚数。

コイン量。

革の厚み。

ファスナーを閉じた時の膨らみ。

さらに、

お札を差し込む角度や、

コインへアクセスする指の入り方まで。


数ミリ単位で調整を繰り返しながら、

厚みと使いやすさのバランスを探っていきました。

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04|昇華|syoho の視点


オーダーメイド制作の中で積み重ねてきた

「処方」の考え方を、

既製品として再構成。


F/2では、

収納力を競うのではなく、

日常動作を整理することを重視しました。


レシートやチケットも自然に収まり、

視線と手の動きが迷わない。


必要なものを、

必要な分だけ持つ。


その感覚を、

構造として落とし込んでいます。

素材には、

イタリア製レザーを採用。


使い込むほどに艶が増し、

輪郭や質感も少しずつ変化していきます。


整理されながら、

手に馴染んでいく財布です。

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05|Finish(完成)


大きすぎず、

小さすぎない。


収納するためではなく、

整えるための財布。


見た目はシンプルでも、

内側には細かな動作への意図が積み重なっています。


日々の習慣に寄り添いながら、

少しずつ身体の感覚になっていく。


F/2

22/05/2026