「必要なものを、ひとつに整理したい」
あるお客様からの相談が、
この財布の始まりでした。
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01|きっかけ
お客様が使われていたのは、
すでにこの形に近いサイズ感の財布でした。
ただ、
実際に日常で使い続ける中で、
細かな違和感が少しずつ積み重なっていた。
「お札の留まり方が、もう少しこうだったらいい。」
「カードの収まりを整理したい。」
「コインケースを、
ファスナーを一度開けるだけで取り出せたらいい。」
サイズ感そのものには満足している。
けれど、
動作や使い心地には、
まだ改善できる余地がある。
その曖昧な感覚を、
ひとつずつ具体化していくことから、
F/2の設計は始まりました。
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02|処方(設計意図)
まず考えたのは、
“収納量”ではなく、
日常動作を整理することでした。
紙幣。
カード。
小銭。
それぞれを独立させながら、
一連の流れの中で扱える構造。
紙幣は、
折り込むのではなく差し込む。
お札の留まり方や、
取り出す時の指の動きまで含めて調整を行いました。
カードは、
必要最低限を重ねることで厚みを抑える。
小銭は、
ファスナーを一度開けるだけで
自然にアクセスできる位置へ。
収納を増やすのではなく、
使う時の流れを整えていく。
それがF/2の根本にある考え方です。

ファスナーによって全体を包み込みながらも、
内部構造はできる限り軽やかに設計しました。

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03|Prototype(試作過程)
最初の試作では、
収納量を増やそうとするほど、
内部構造が複雑になっていきました。
仕切りを増やせば、
厚みが生まれる。
ポケットを増やせば、
動作が増える。
そこで一度、
「何を減らすべきか」
という視点に切り替えました。
必要以上に固定せず、
動作の流れに沿って収納を整理する。
その考え方へ変えてから、
構造が少しずつまとまり始めます。
カード枚数。
コイン量。
革の厚み。
ファスナーを閉じた時の膨らみ。

さらに、
お札を差し込む角度や、
コインへアクセスする指の入り方まで。
数ミリ単位で調整を繰り返しながら、
厚みと使いやすさのバランスを探っていきました。

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04|昇華|syoho の視点
オーダーメイド制作の中で積み重ねてきた
「処方」の考え方を、
既製品として再構成。
F/2では、
収納力を競うのではなく、
日常動作を整理することを重視しました。
レシートやチケットも自然に収まり、
視線と手の動きが迷わない。
必要なものを、
必要な分だけ持つ。
その感覚を、
構造として落とし込んでいます。

素材には、
イタリア製レザーを採用。
使い込むほどに艶が増し、
輪郭や質感も少しずつ変化していきます。
整理されながら、
手に馴染んでいく財布です。

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05|Finish(完成)
大きすぎず、
小さすぎない。
収納するためではなく、
整えるための財布。
見た目はシンプルでも、
内側には細かな動作への意図が積み重なっています。
日々の習慣に寄り添いながら、
少しずつ身体の感覚になっていく。
F/2
