PRODUCT STORY | F/0
「長財布のまま、できるだけ短くしたい」
ラグビー日本代表
堀江翔太選手からのご相談が、この財布の始まりでした。

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01|きっかけ
基本的に財布はお尻のポケットに入れる。
ただ、一般的な長財布だと
どうしてもポケットからはみ出してしまう。
座ったときの違和感や、見た目としての収まりも気になる。
「長財布のまま、極力短くできないか」
その一言から設計がスタートしました。
お札は折らずに持ちたい。
でもサイズはできる限り抑えたい。
シンプルでありながら、
既存の形では成立しない条件でした。
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02|処方(設計意図)
まず、なぜ長財布は19〜20cm前後が主流なのか。
その構造を分解するところから始めました。
ひとつは、カードを横に2列で収納する設計。
クレジットカード(約85mm)を2枚並べると約170mm。
そこに中央の仕切りや両サイドの縫い代が加わり、
最終的に190〜200mmの長さになります。

もうひとつは、マチ構造。
ラウンドファスナーなどでは、
両側または片側にマチが付き、
そこでも縫い代が必要になります。
この2つの前提が、
長財布の“長さ”を決定づけていました。
この構造をどう崩すか。
そこで辿り着いたのが、
片側の縫い代を排除する設計です。
表のレザーを内側へ巻き込むことで、
縫い代の位置を再構築。
その余白を活かし、
札入れのマチをアーチ状に設計しました。
縫い代を削ぎ落としながら、
収納量は落とさない。

結果として、
最小限の長さで最大限の容量を確保しています。
カード収納は、
帯状ポケットを重ねることで全長を抑制。
個別ポケット2枚分+帯ポケットで6〜8枚を収納可能に。
コインスペースはあえてファスナーを設けず、
ワンアクションで取り出せる構造に。
それぞれのパーツが仕切りとして機能し、
紙幣や領収書の整理にも対応します。
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03|Prototype(試作過程)
縫い代を削ることで、
構造は自然とL字ファスナーへと変化。
開閉から取り出しまでの動作も、
より短く、スムーズになりました。
ただ「短くする」だけでは成立しない。
寸法を詰めすぎれば、
お札の出し入れやフォルムに無理が生まれる。
一方で、幅を削った分、
高さも極力抑えたい。
アーチの角度、革の厚み、収納時の膨らみ方。
数ミリ単位で調整を繰り返しながら、
使いやすさと手に持ったときのバランスを探りました。
ポケットに入れた際の収まりまで含め、
輪郭を詰めていきます。
この財布も例外なく、
何度も試行錯誤を重ねて完成しています。

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04|昇華|syoho の視点
オーダーから生まれた構造をベースに、
syohoとして再設計。
ポケットだけでなく、
小さなバッグでの使用も想定し、
性別や手の大きさを問わず扱いやすい寸法へ調整しました。
素材には、落ち着いたトーンの2色レザーを採用。
大きく見直したのはコインスペース。
当初は両サイドにカードポケットを配置していましたが、
硬さが生まれ、コインの可動域を制限してしまう。
そこでカードポケットを壁面へ移動し、
コインスペースの自由度を確保。
さらに底面はV字からU字へ再設計し、
コインが挟まらず、自然に取り出せる構造へと改善しました。
対話から生まれた設計を、
プロダクトとして磨き上げています。

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05|Finish(完成)
ポケットに収めたとき、
その違いがはっきりと現れる。
長財布でありながら、
必要以上に主張しないサイズ感。
“ただ小さくした”美を損ねるデザインではなく、
構造として解決した結果のフォルム。
見た目はシンプルでも、
内側には明確な意図が積み重なっています。
習慣に合わせて設計された、
ひとつの答え。
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