03/05/2026
F/0 Karte  Process & Story

PRODUCT STORY | F/0


「長財布のまま、できるだけ短くしたい」


ラグビー日本代表

堀江翔太選手からのご相談が、この財布の始まりでした。

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01|きっかけ


基本的に財布はお尻のポケットに入れる。


ただ、一般的な長財布だと

どうしてもポケットからはみ出してしまう。

座ったときの違和感や、見た目としての収まりも気になる。


「長財布のまま、極力短くできないか」


その一言から設計がスタートしました。


お札は折らずに持ちたい。

でもサイズはできる限り抑えたい。


シンプルでありながら、

既存の形では成立しない条件でした。


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02|処方(設計意図)


まず、なぜ長財布は19〜20cm前後が主流なのか。

その構造を分解するところから始めました。


ひとつは、カードを横に2列で収納する設計。

クレジットカード(約85mm)を2枚並べると約170mm。

そこに中央の仕切りや両サイドの縫い代が加わり、

最終的に190〜200mmの長さになります。

もうひとつは、マチ構造。

ラウンドファスナーなどでは、

両側または片側にマチが付き、

そこでも縫い代が必要になります。


この2つの前提が、

長財布の“長さ”を決定づけていました。


この構造をどう崩すか。


そこで辿り着いたのが、

片側の縫い代を排除する設計です。


表のレザーを内側へ巻き込むことで、

縫い代の位置を再構築。

その余白を活かし、

札入れのマチをアーチ状に設計しました。


縫い代を削ぎ落としながら、

収納量は落とさない。

結果として、

最小限の長さで最大限の容量を確保しています。


カード収納は、

帯状ポケットを重ねることで全長を抑制。

個別ポケット2枚分+帯ポケットで6〜8枚を収納可能に。


コインスペースはあえてファスナーを設けず、

ワンアクションで取り出せる構造に。


それぞれのパーツが仕切りとして機能し、

紙幣や領収書の整理にも対応します。


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03|Prototype(試作過程)


縫い代を削ることで、

構造は自然とL字ファスナーへと変化。

開閉から取り出しまでの動作も、

より短く、スムーズになりました。


ただ「短くする」だけでは成立しない。


寸法を詰めすぎれば、

お札の出し入れやフォルムに無理が生まれる。


一方で、幅を削った分、

高さも極力抑えたい。


アーチの角度、革の厚み、収納時の膨らみ方。

数ミリ単位で調整を繰り返しながら、

使いやすさと手に持ったときのバランスを探りました。


ポケットに入れた際の収まりまで含め、

輪郭を詰めていきます。


この財布も例外なく、

何度も試行錯誤を重ねて完成しています。

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04|昇華|syoho の視点


オーダーから生まれた構造をベースに、

syohoとして再設計。


ポケットだけでなく、

小さなバッグでの使用も想定し、

性別や手の大きさを問わず扱いやすい寸法へ調整しました。


素材には、落ち着いたトーンの2色レザーを採用。


大きく見直したのはコインスペース。


当初は両サイドにカードポケットを配置していましたが、

硬さが生まれ、コインの可動域を制限してしまう。


そこでカードポケットを壁面へ移動し、

コインスペースの自由度を確保。


さらに底面はV字からU字へ再設計し、

コインが挟まらず、自然に取り出せる構造へと改善しました。


対話から生まれた設計を、

プロダクトとして磨き上げています。

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05|Finish(完成)


ポケットに収めたとき、

その違いがはっきりと現れる。


長財布でありながら、

必要以上に主張しないサイズ感。

“ただ小さくした”美を損ねるデザインではなく、

構造として解決した結果のフォルム。

見た目はシンプルでも、

内側には明確な意図が積み重なっています。


習慣に合わせて設計された、

ひとつの答え。


F/0

03/05/2026